全女性に・・子どもに読んで聞かせる【ひめみこプシケ】の物語り

           作 ふじ みゆう

       ひめみこプシケ

          (ギリシャ神話より)
第一話・・・プロローグ
第二話・・・あそび       
第三話・・・いちばんかわいい人   
第四話・・・いのち
第五話・・・けんしん
第六話・・・王さまのプレゼント
第七話・・・男の子のあそび
第八話・・・みこかぐら
第九話・・・をとめのしるし
第十話・・・おきよめ
第十一話・・たいせつなしごと
第十二・・十字架のあがない
第十三話・・をとめのからだ
第十四話・・ねたみ
第十五話・・いちばんはだれ
第十六話・・恋の神のいたずら
第十七話・・大しっぱい
第十八話・・プシケの歌
第十九話・・しかえし
第二十話・・をとめのいのり
第二十一話・オラクル
第二十二話・最後の晩さん
第二十三話・ガーガの生い立ち
第二十四話・プシケのゆめ
第二十五話・をとめの愛
第二十六話・ファーストキス
第二十七話・よめいり
第二十八話・いのちのあがない
第二十九話・りきゅう(離宮)
第三十話・・つくしの塔
第三十一話・王さまのアイディア
第三十二話・わかものたち
第三十三話・ガーガとの別れ

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第一話より プロローグ

 むかしむかし、ギリシャの東のほうに〈ターミ〉というなまえの国がありました。

 ターミ国のお城は海に突き出た山の上に立っていました。大昔に大きな山が噴火して、火山の半分が海に沈んでしまったのです。

 そこからは緑の山々が広く見渡せ、遠くの大きな島はエトナ山のようにいつもモクモクと煙を吹き出していました。青い海からはお日さまやお月さまがのぼり、山々から海へは三本の川が流れていて、あちらこちらからは熱い湯気やお湯がボコボコと湧き出ていました。

 そこに王さまのまちがつくられ、おうぜいの人々がくらしておりました。ターミ国王エッサイには三人の娘が生まれ、二人の姉たち、レアひめ、ルナひめさまは優しい顔をしていましたが、末の妹ひめはたいそう美しかったのです。そのひめさまのなまえをプシケといいました。

 王さまの娘たちはひめみこ〈皇女〉さまと呼ばれており、その〈ひめみこプシケ〉さまのお話です。 

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第二十話より (ガーガの生い立ち)

 ガーガの生い立ちは次のようでございます。父ヨセフは漁師をしていたそうですが、大津波にさらわれて行方不明になったのです。  母はわたしを産み落とした後、すぐに亡くなったのでした。姉がいたのですが、貧しかったので、わたしを育てることができず、三ヶ月ほどしてわたしを捨てることにしました。
 物乞いをしてわたしを育てることなど、どうしてできたでしょうか?おまけに姉は足が不自由でした。病気〈ポリオ〉で歩けなくなったそうでした。、町へ出てはわずかばかりの施しが唯一の生きるすべだったのでした。 ある日姉はわたしを連れて一緒に死のうと浜へ出ようとしたのです。それはいつもひめさまたちが遊ばれていたあの〈太陽の浜〉でした。姉はそのとき思ったそうです。
(女神さまが助けに来てくれた)

 と、そしてわたしを浜辺の草むらに置いて松林に隠れたそうでございます。ひめさまたちが近づいてきて、わたしを抱き上げお母さまのところへつれて行ったのでした。ひめさまたちは浜で遊ばれず、そのままお城の方へ歩いて行かれました。姉は

(どうなるだろうか?)

 と、後を追いかけましたが、足が不自由でしたのでなかなか追いつかず、手足に傷がつき痛かったそうです。お城の近くの〈シシュ・ババン〉にわたしたちが助けられたとき、姉は八歳になっておりました。そのときレアひめさまが六歳でした。わたしが三歳になったときにプシケひめさまがお生まれになったのです。そしてわたしはそれからずっとお城に仕えるようになったのございました。〈シシュ・ババン〉(子どもの家)はアグネスさまが建てられた〈捨て子〉たちの養育施設でございます。今、姉は嫁いで可愛い子どもにも恵まれ幸せに暮らしております。 またわたしのなまえは王さまがつけてくれたのです。ひめさまたちがカラスが(ガーガー)と林の方で鳴いていたので、行ってみると、わたしが布にくるまれて置かれ泣いていたので、王さまは

『そのカラスは山のカラスの〈ハシボソカラス〉だから〈クロウ・ハシボーソ』

 と、名前をつけてくれたのでした。

 王さまから呼ばれたガーガは、王室礼拝堂の付属少年合唱団に選ばれておりました。
 五百年以上も続く合唱団はターミの国内はもとより、外国にまでも美しい歌声が響いていたのです。午後の練習をしているとき、召し使いに

『王さまの部屋へ来るように』

 と呼ばれました。それが運命の選択の日だったのです。王さまに呼ばれて話されたものは当時十歳の少年にとっても驚きで、それが何を意味するかなどとは考えも及ばないことでした。 王さまの話は

『もしこのままプシケひめのそばに仕えるには〈去勢〉するか、それともお城を離れるか』

 ということでした。わたしは物心ついたときからひめさまに接しておりましたので、ひめさまがどんなに〈清い美しいひめさま〉かと、秘かに思いを寄せていました。しかしひめさまの夫として残ることなどわたしの身分では、決して適うことではありませんでした。王さまは悩まれておりました。わたしには

『自分でよく考えて決断するように』

 とおっしゃいました。わたしは早速ターミの街にある〈御殿神殿〉に予言者を訪ね、神託をうかがいました。

「おまえの祈りは神さまの耳にとどいている。ヨセフの願いは適えられる。いつまでもひめさまの願いを受け入れれば、おまえの想いがひめさまに注がれ、〈悦びを生むことができる〉神さまはおまえを祝福している。しかし疑ってはならない。いつも神さまはおまえと共におられるからだ」

 わたしは信じました。そして王さまに〈宦官〉として仕えることを伝えたのでした。

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エッサイは人をやって、その子を連れて来させた。彼は血色が良く、目は美しく、姿も立派であった。
(サムエル記十六・十二)


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                                                                                 ふじ みゆう 

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